口臭治療のお話

    「口臭の原因」

 
口臭治療に関して
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口臭のお話1

まずは、試しに口臭を測ってみませんか?
口臭とはなんなのでしょう
口臭の分類
口臭の原因のニオイ物質達
  「VSC(揮発性硫黄化物)」などのお話
大切な唾液

口臭のお話2
口臭の原因
生理的なものが原因の口臭
  老人性  早朝性  空腹時  緊張時
生理時
飲食物、嗜好品が原因の口臭
    コーヒー  飲 酒  喫 煙 
  乳製品  赤身のお肉  砂 糖  野 菜
口腔疾患が原因の口臭
  歯周病  舌苔  補綴物  口呼吸
全身疾患が原因の口臭
   
鼻や副鼻腔・呼吸器官などの疾患
  病 気
  薬の副作用  心因性
口臭のお話3・ちょこっとマメ知識

  「加齢臭(老人臭)や介護臭」
 口臭のお話4

  シェーグレン症候群  自臭症
口臭のお話5ちょこっとマメ知識
     「ダイエット臭」

  ダイエット臭が出てくる訳
  ダイエット臭が出てくる3つの段階
  ダイエット臭対策            
口臭のお話・6
     「乳酸菌で口臭予防

 乳酸菌で口臭予防?
ちょこっと豆知識「プロバイオティクス」(8/9

口臭の原因
口臭の原因の90%が口腔に由来していると言われています。
お口の中は、人体組織の中でも一番新陳代謝が早いそうです。
その上、約200種類もの細菌が、数億個も住んでいるのです。
新陳代謝が早いと、死滅した粘膜組織(タンパク質)も多くなります。
前の項目で簡単にご説明しましたが、
タンパク質が細胞に分解されると臭気の元が作られるので、
常時、ニオイ物質が作られているということになるのです。

でも、ニオイを持っていない人はいませんし、
通常は、唾液などのおかげで、
他人に不快感を与えるほどの口臭を持っている人もそんなに多くいるわけではありません。

口臭の原因は、細かく分ければ色々とあります。
その発生の原因によって、ある程度の対処法が変わってきます。
口臭は、まだ研究真っ最中ともいえる分野なのですが、
今、分かっている範囲で、できるだけご説明していきたいと思います。
生理的なものが原因の口臭
生理的なものには、
  老人性   早朝時   空腹時   緊張時   生理時 などがあります。

基本的に、唾液が少なくなることで口臭が発生します。
唾液が少なくなると、お口が乾燥してしまい、
「ドライマウス」と呼ばれる状態になるのです。
老人性 加齢によって、唾液が少なくなるのが原因のひとつです。
お口の乾燥に繋がるものは、加齢の他にも、
脳下垂体や視床・副腎皮質などのホルモンの異常。
飲水量の不足や、高熱などによる発汗が原因の脱水。
薬物の副作用。
神経症などの精神的なもの、
などが挙げられます。

ブラッシングが充分に出来ないために、ムシ歯や歯周病になったり、
義歯のお手入れが不十分なことなども原因となってしまいます。
寝たきりなどの、高齢者の方ほど、口腔ケアが不十分になりがちです。
そして、そういう方ほど、唾液の分泌が少なくなっているのです。
唾液が少なくなると、歯周病・ムシ歯になりやすく、
歯垢や舌苔もつきやすくなってきます。

特に、高齢者の方は、水・電解質代謝に深く関わる体の機能が低下してくるので、
発熱や食欲不振などで、脱水に陥りやすいようです。
寝たきりの方や、体が不自由な方は、
トイレの回数が増えるのを気にして、
水分の補給が減ってしまうこともあるよです。

水分を充分に摂取することは、大切なことになってきます。
利尿作用の少ない「お水」を上手く摂取するようにすると良いと思います。
白湯などでもOKです。
1日に1リットルくらいの水分を補給することが望ましいようです。
水分の補給は、お口の乾燥だけでなく、
膀胱炎の予防や便秘の解消にもつながります。
また、抵抗力の低い高齢者の方は、
上気道の感染から肺炎などにも繋がってしまう可能性があるのです。
寝たきりなどの方には、人工唾液などを使用するという方法もあります。

高齢者や寝たきりの方は、
唾液が減ってくるだけでなく、粘稠度の高い唾液に変わってくるそうです。

唾液を出やすくするマッサージは、
1日2〜3回、両側の耳前部と顎下部を、
指の腹でゆっくり回すようにマッサージする方法があります。
そのとき、痛みを感じない程度の軽い力で押すようにしてください。
また、梅干やレモンなどの酸味のあるものも、
唾液の分泌をうながしてくれます。
お食事のメニューに入れてみると良いかもしれなせんね。

お部屋の乾燥のしすぎも、お口の乾燥を招きます。
湿度が50%以下になると、気をつけましょう。
理想は60%くらいだそうです。
唇が乾燥しているときは、
リップクリームやワセリンなどで乾燥を防いであげてください。

介護の方が歯磨きをしている場合、
「なんだか上手く磨けない」と思うことはありませんか?
往診を行っている歯科医院ならば、ご自宅や入院先などにうかがって、
ブラッシング指導や歯周治療を行うことができます。
入れ歯やムシ歯の治療だけでなく、
歯磨きなどの口腔ケアも往診で行っておりますので、
どうぞご遠慮なく歯科医院にご質問くださいませ♪
早朝時 寝ている間、唾液の量が少なくなるのが原因です。
寝ている間は、話したり食べたりといったことをしないので、
唾液があまり出ないのです。
それから、寝ている間にも汗をかくので、
水分が失われてしまうということにも原因があるかもしれません。
また、寝ている間は、唾液腺もお休みをするそうです。

すると、唾液の量が減り、細菌達が活発になってしまい…
口臭が出てきてしまう、ということになるのです。

これを防ぐのは無理かもしれませんが、
寝る前にお水を1杯飲んだりするのは効果が多少あるかもしれませんね。
就寝前の歯磨きも大切です。
細菌の数を減らしておけば、ニオイを作る細菌も減るので、
磨かないときよりも口臭が減らせるのです。
飲酒も、アルコールを分解する時に水分を使いますし、
ニオイのもとにもなるので、深酒は控えたほうが良いのかもしれませんね♪
空腹時 空腹状態の時も唾液の分泌が低下します。
すると、口臭が気になってくることは、今までもご説明しましたよね。

健康な方ならば、あまり気にしなくてもいいのですが、
ダイエットをしている人は、要注意です。
あとで、ダイエットの時の口臭については詳しくご説明する予定ですが、
間違ったダイエットなどをしていると、
口臭だけでなく、体臭まで臭くなってくるそうなのです。
ケトン臭というのが、飢餓状態の代表的なニオイです。
甘酸っぱいような、ツーンとするニオイがしてきたら、
体からの危険信号ということになるので、気をつけましょう!

ちなみに、ケトン臭とういうのは、
肝機能障害、糖尿病などの時に出てくるニオイでもあります。
緊張時
緊張する場面になった時、
口の中が乾いて、上手く話せなかった。
そんな経験はありませんか?
人は、ストレスを感じると、副交感神経が働きます。
その間、交感神経が緊張状態になり…唾液の分泌が低下してしまうのです。
だから、緊張している時は唾液が少なくなるので、
口臭を感じてしまうのです。

生理時
これは女性の方だけに感じられるケースです。
月経周期によって色々な変化を感じる方がいらっしゃるかと思います。
これは、ホルモン変化が原因になっています。
唾液の濃度も、ホルモンがコントロールしているそうです。
唾液が濃くなるということは、
唾液中の酸素が少なくなっているということに繋がります。
ということは、硫黄化合物をつくる準備が整えられてしまうのですね。
女性にとって、もうどうにもならないことではありますが、
水分を良く摂取するだけでも、少し緩和されると思います。
「お水」は美容にも良いので、普段から摂取するようにしても良いかもしれませんね♪
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飲食物・嗜好物が原因の口臭
食べ物だけでなく、いわゆる嗜好品と呼ばれる物も、口臭の原因になります。
これはお口の中の乾燥も原因となりますが、
飲食物自体のニオイ成分も原因になっています。
嗜好品として
    コーヒー  飲酒  喫煙 をご説明します。
コーヒー コーヒーは、焙煎成分が舌表面に付着します。
そのことで舌苔が着色し、独特の臭気を発生させるのだそうです。
また、コーヒーは酸性の飲み物です。
酸性が強いとバクテリアが増殖しやすくなるので、
口臭が出てくるのだそうです。
(コーヒーに限らず、炭酸飲料などの酸性の飲み物は、
 同じように口臭発生の原因になってしまうそうです)

コーヒーが原因の口臭が気になっている場合は、
飲む回数を少なくしたり、
濃いコーヒーではなく、薄めのコーヒーにしてみたり、
単独で飲むのではなく、食後などに飲む・・・といった方法があります。
コーヒーの味が口に残っているような時は、
舌でお口の中を綺麗にするような感じで動かすのも効果があるそうです。
飲 酒 アルコールは、お口の中を乾燥した状態にしてしまうので、
口臭が発生してしまうのだそうです。
また、アルコールを過剰に摂取すると、
お口の中の粘膜が破壊されることも最近分かってきたそうです。

これは、お酒の種類には関係ありません。
ビールでも、ワインでも、市販されている洗口液でも同じことです。
さらに、アルコールの分解産物であるアセトン臭は、
呼気としても口臭に関係してくるそうです。
吐く息がお酒臭い…というのは、これも原因だったのですね。

お酒を飲んだ後の口臭が気になる方は、
飲んだお酒と同じ量の水分を補給することが一番のようです。
もちろん、飲みすぎも口臭の原因になります。
ビールなら1本。お酒なら2合程度…というのが良いようです。

市販の洗口液の場合は、
最近ではノンアルコールの物も販売していますので、
洗口液を使用される方は、
ノンアルコールの物を使用されると良いと思います。
洗口液は、口臭抑制にはならないそうです。
一時的なごまかしにしかならないそうです。
でも、やっぱり使いたいと思う方もいらっしゃると思います。
洗口液の成分や使い方を工夫して、
お口の粘膜に負担のかからないような使い方をしてくださいね。
喫 煙 タバコ特有のニオイだけでなく、
タール成分が舌の表面に付着しやすいので、
舌苔の付着を促進してしまいます。
また、大きな問題は、口呼吸になってしまうことです。
口呼吸に気をつけていても、
タバコを吸うだけで口呼吸をしていることになるのです。
ニコチンも、抹消血管の収縮を招くので、
歯周病などに対しても、悪い影響を与えてしまいます。

喫煙はしないに越したことはありませんが、
できれば、1日20本以内にするのが望ましいようです。
連続して吸うのも、口臭を多くさせることに繋がりますので、
間隔を空けて吸うというのも、口臭の予防になるようです。
あと、深く煙を吸い込まずに、ふかすような感じにするのも、
多少効果があるようです。
口臭と関係のある食べ物
乳製品 タンパク質を分解するための特殊酵素「ラクトース」
多くの人が、この酵素を持っていないので、タンパク質が分解できず、
口臭が発生してしまうのだそうです。
この症状は「ラクトース不耐症」として知られているそうです。
乳製品に含まれているタンパク質は硫黄分に富んでいます。
口臭を引き起こすバクテリアは、そのタンパク質を分解できてしまうので、
いなやニオイや味を作り出してしまうのだそうです。

乳製品は全般的に、その対象になるようです。
牛乳、チーズ、ヨーグルト。アイスクリームもだそうです。
生クリームやスキムミルクももちろん仲間です。
含まれている脂肪分の量は関係ないそうです。
赤身のお肉 乳製品と同じく、タンパク質とバクテリアの関係で口臭が発生してしまうようです。
砂 糖 バクテリアは、糖分のあるところで繁殖します。
お砂糖が入っている物は、バクテリアにとってご馳走です。
飴なども、お砂糖の入っているものは気をつけた方が良いのです。
ミントなどが入っているからと言って食べ過ぎると、
口臭もムシ歯も発生してしまうことになります。
ジュースや、缶コーヒーも要注意です。
飴を食べる必要のある方は、
ノンシュガーの物を選ぶのも良いかもしれませんね。
野 菜 ニンニクやネギ・玉ネギなどを食べると、息が臭くなったりしますよね。
それは、分子のレベルで口臭を引き起こすのと同じ種類の
硫黄化合物「メルカプタン」を含んでいるからです。

ブロッコリーやカリフラワーも口臭がすることがあります。
こちらのほうには、インドールが含まれています。
インドールは、アブラナ科の野菜に多く含まれています。
キャベツ・メキャベツ・小松菜・カブなどもその仲間です。

ただ、お野菜が原因の口臭については、
あまり気にしなくても平気だと思います。
他の原因と違い、一時的なものだからです。
香辛料の沢山入っている食事を毎日続けていると、
体臭も口臭も、スパイシーな感じになってきますが、
日本の、ごく一般的な食事をしている限りは、
ほとんど心配は無いと思います。

ニンニクなどの効用は、皆さんもご存知だと思います。
アブラナ科のお野菜に含まれている「インドール」は
前立腺ガンや乳ガンの予防に有効だという研究結果が出ていたりもします。
サバ・サケ・イワシなども効果があるようです。
…といったように、自然の食べ物は体に良いことが多いので、
色々な種類をおいしく、まんべんなく食べることをお勧めしたいと思います(笑)
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疾患性の口臭
お口の中が原因の口臭と、
全身的な病気が原因の口臭とに分けられます。
口腔疾患が原因の口臭
歯周病 口臭の原因となる物質「揮発性硫黄化物(VSC)」。
これを発生させるのが口腔内の細菌達です。(前のページで「VSC」のご説明をしています)
歯周病は、歯肉や歯を支えている組織を破壊してしまいます。
その壊れた組織や、死滅した白血球や細菌などのタンパク質。
もちろん、腫れて出血してしまった血液。
そういう物が分解されて、嫌な臭いを発生させてしまいます。
特に、歯周病関連の細菌は、嫌な臭いの元を作り出す原因になっています。

歯周病は、近年、若年化してきています。
気になる方は、歯医者さんで検診を受けられることをお勧めします。
1度、きちんと治してしまうことが大事なのです。
それ以上に、ご自分でのケアの方法を覚えていただくことも大切です。
歯周病はムシ歯と同じで、歯がある限りかかってしまいます。
歯医者さんと二人三脚、気長に治していくのが良いと思います。
舌 苔
  (ぜったい)
舌に付く、コケのようなもののことです。
舌苔は「ぜったい」と読みます。
舌背部から舌根部にかけて見られる、
白色や黄色の付着物のをこう呼んでいます。
細菌・唾液成分・食べ物のカス・剥離上皮などから構成されています。
そうです。ここは細菌達の居心地の良い貯蔵庫になっているのです。
歯周病原因菌や、ムシ歯の原因菌なども、ここにいます。

舌苔は、舌の根本近くから付着し始め、
舌背にかけて広がっていきます。
そして、舌苔の付き方・量は唾液によってかなり左右されしまうのです。
舌の先の方に舌苔が付いている人は、ほとんど見かけませんよね?
つまりは唾液が充分にある
舌苔の付着は比較的少なく、舌背後部にのみ存在することになります。
こういった、後ろの方に少し付いている程度の舌苔は、
正常レベルなので、あまり気にする必要はありません。

反対に、唾液が少なく、お口の中が乾燥してしまうと、
舌苔もふえ、口臭も発生してくることになります。
舌苔の中の色々な細菌達の数も増えてしまいます。

舌苔とドライマウス、そして、歯周病は、
とても密接な関係を持っているのです。


そこで気をつけなければいけないのは、
舌苔を取ろうとして、舌が傷つくほどこすってしまうことです。

傷をつけてしまうと、痛いだけではなく、
そこから出る血や剥離した組織が全部、細菌達の餌になり、
口臭発生の原因になってしまうからです。
舌苔が付く原因が、なにかあるはずです。
原因を改善しなければ、一時しのぎになってしまいます。

歯ブラシなどで舌を磨くのが、全部ダメといっている訳ではありません。
磨くと気持ちよくなる、と患者様からも聞いたことがあるからです。
やっぱり、気持ちよくなるほうがいいですものね。
なので、どうしても磨きたいと思う方は、
舌に傷をつけないよう、気をつけることが何よりのポイントになります。
使用する歯ブラシは、
歯周病用などの柔らかい歯ブラシを使用してみてください
ただし、豚などの天然の毛は使わないようにしてください。
毛が密集しているので、不衛生になりがちです。
上手く毛を洗浄・乾燥させないと、細菌の住処になってしまうのです。
普通のナイロン歯ブラシの、毛の柔らかい物を選ぶようにしましょう。
もし天然の毛の歯ブラシを使う場合には、
使用後には必ず綺麗に洗って、きちんと乾燥させるようにしてください。
ガーゼを指に巻いて舌を拭くのも、気持ちがいいそうです。

できれば、歯科医院などで、1度ご相談されることをお勧めします
補綴物
 (ほてつぶつ)
補綴物というのは、銀歯や入れ歯など、
歯医者さんで入れてもらう物の全般のことをいいます。

銀歯などで、隙間が出来ていたりすると、
そこに汚れが溜まって、細菌達が増えてしまいます。
また、ムシ歯にもなってしまいます。
(ムシ歯が出来たので隙間が出来てしまったという場合もあります)

ブリッジなどを入れている場合は、
ダミーの部分(自分の歯が無い場所)が上手く磨けずに、
汚れが溜まってしまいます。
これも臭いの元になるのです。

入れ歯の場合、お手入れをちゃんとしないと、
やはり、食べカスが溜まってしまい、不衛生になってしまいます。
合っていない入れ歯も、やはり不衛生になる原因となります。

詰め物をした歯というのは、ムシ歯や歯垢に狙われやすいので、
治療した歯は気をつけてブラッシングするのが、
歯を長持ちさせる秘訣です。

入れ歯の場合も、やはり、食後のお手入れが大切です。
入れ歯はムシ歯にこそなりませんが、
不衛生にしていると、お口の中の細菌が増殖してしまいます。
高齢者の方の口臭の原因のほとんどが、口腔内にあると言います。
歯が残っている方は、残っている歯のブラッシング。
そして入れ歯の裏側や金具などについた歯垢を、
見落とさずに清掃することが重要です。
口呼吸
  (こうこきゅう)
みなさんは通常、鼻呼吸をしていらっしゃるはずです。
でも、運動をしたり、鼻が詰まっていたりするときは、お口で呼吸しますよね。
お口で呼吸することを「口呼吸」といいます。

運動中などの、たまにしてしまう口呼吸などはあまり問題にはなりませんが、
鼻呼吸をしていてもいい通常の状態の時も口呼吸をしていると、
お口からの水分の蒸発が多くなってしまいます。
結果、お口の中が乾燥してしまい、ドライマウスの状態になるのです。

口呼吸が原因のドライマウスは、
扁桃の機能を低下させ、
バクテリアや真菌の舌苔や扁桃窩内の膿栓内で増殖を招きます。
唾液も減ってしまい口腔内洗浄の低下も起こります。
すると、口臭を作る菌にとって好都合な環境が出来上がり、
口臭がでてくるのです。
(ただ、扁桃炎が直接の原因になっている口臭は、ほとんど無いそうです)

睡眠中に、いびきなど、口で呼吸していると、
起きた時に口の中や喉が乾燥している・・・という症状が現れたりします。

普段から、お口で呼吸している方がたまにいらっしゃいます。
やはり、これもお口の乾燥を引き起こしやすい原因となっています。

高齢者では、口周囲筋肉の弛緩なども口呼吸の原因になったりもします。

開口(かいこう)といって、前歯同士が噛み合わず、間が空いている方は、
口呼吸になりやすので、ご注意ください。
開口の方の場合、口呼吸を治す方法としては、
お口の周りの筋肉や、舌の動きなどの訓練をするのが良いかと思います。
それから、タバコも口呼吸です。
嗜好品が原因の口臭のところでも少し書きましたが、
チェーンスモーキングをするよりは、
間を空けて吸う方が口呼吸防止にもなります。
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全身疾患が原因の口臭 )
鼻や副鼻腔
呼吸器官
   などの疾患
蓄膿症や慢性鼻炎、慢性気管支炎、副鼻腔炎などがあげられます。
肺結核や悪性腫瘍(肺癌)、
肺の化膿性炎症(肺壊疽)なども、原因となります。

副鼻口腔の緑膿菌やブドウ球菌感染で発生した臭気が気になる場合や、
肺からの呼気臭が気になる場合や、
咽頭や舌根で発生したガスを自己臭として自覚する場合などがあります。

後鼻漏も、臭いの元になることがあります。
後鼻漏は「こうびろう」と読みます。
簡単に言うと、鼻水が喉に流れてくる症状を言います。
この中には、分解されて悪臭の元となる硫黄化合物へと変化する、
「タンパク質」の一種が含まれているので臭いの元になってしまうのです。

原因は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などなど、色々あるようです。
鼻の疾患は、口呼吸なってしまう原因にもなります。
このような症状が出ている方は、
「耳鼻咽喉科」での診療が必要になってきます。
病 気 直接お口に関係ないような病気でも、
口臭や体臭が出てくることがあります。
飲んでいるお薬が原因の口臭もあります。

肝臓・腎臓の病気、糖尿病などは代表的な病気と言えるでしょう。
病気とは少し違うかもしれませんが、便秘も口臭に関係していたりします。
過度のダイエットも口臭・体臭の原因になります。
シェーグレン症候群や魚臭症・魚臭症候群という病気も、
口臭・体臭の原因になります。
(ダイエット臭・シェーグレン症候群はまた、それぞれご説明します)
自律神経失調症も、口臭を引き起こす要因となることもあるようです。

糖尿病
アセトン臭という呼気由来の臭いがします。
甘ったるいような、すえたような臭いだそうです。
薬品っぽい臭いといわれることもあるようです。
血糖のコントロールが悪い場合に息に臭いが混じってきます。
歯周病が原因で口臭が出てしまうこともあります。

糖尿病の方は歯周病が進みやすいという特徴があるので注意が必要です。
糖尿病になると、口の中が乾きやすくなる傾向があります。
お薬の副作用などもあります。

そして歯周病の影響がお口の中だけに留まらないという危険性があります。
細菌が血液に乗って肝臓に入ると、
ブドウ糖の代謝を妨げインスリンの働きを弱めてしまいます。
また歯ぐきの腫れを抑えようと体が出す免疫細胞。
この免疫細胞の出すサイトカインという物質もインスリンの抵抗を高め、
糖尿病を悪化させることに繋がるのだそうです。
肝臓・腎臓の病気
アンモニア臭がします。
血液の中に臭いの元(アンモニアなど)が溶け込んでしまい、
それが肺でガス交換をするときに息の中に混じってくるので、
吐く息が臭く感じるようになってくるのです。
汗などにも臭い物質が混じりますので、
口臭だけではなく、体臭にも変化が現れます。
尿毒症の症状が進むと、こういう症状が出て来るようです。

お口の中などが出血しやすい状態になったり、
吐き気や嘔吐してしまったり、
唾液の分泌の減少・免疫力の低下なども症状もありますので、
口腔内の状態が悪くなりやすい傾向があります。
歯周病、そしてムシ歯などが進行しやすくなってしまいます。
魚臭症(魚臭症候群)
生魚のような臭いがします。
トリメチルアミン尿症ともいいます。
代謝性の疾患で、
腸内細菌によって生産されるトリメチルアミンを、
肝臓で代謝できないために発生します。
「トリメチルアミン」は、
魚などに多く含まれる「レシチン」という脂質が、
腸内の酵素によって分解されて作られます。
病名の通り、魚の臭いに似たニオイ物質です。
コリンなどの過剰摂取からも引き金となるそうです。
海水魚・卵黄・大豆・レバー・さやえんどう等に含まれています。
口臭だけでなく、体臭や尿にもニオイがあります。

現在研究中の病気なので、
食生活の工夫で症状を軽くする程度にとどまっているようですが、
この病気かどうかを診断できる研究室がありますので、
そちらの方にお問合せいただくと良いかもしれません。
 バセドウ病(4/12追加
甲状腺ホルモンが無秩序に過剰分泌される病気で、
自己免疫疾患のひとつです。
女性の方が男性よりも5倍位発症率が多いのも特徴のひとつです。
口臭に関係のある症状には、
消化器の、
 ・食欲亢進、低下
 ・口渇
 ・軟便
 ・排便回数増加
などがあげられると思います。
月経不順なども、ホルモンバランスと関係があり、
口臭にも関係してしまうかもしれません。

慢性胃炎や胃潰瘍などの消化器疾患によって口臭が発生することは、まれです。
なので『胃が悪いから口臭がする…』というのは、
本当に『口臭』があるというのと少々違うものと考えた方がようようです。

食堂憩室や食堂狭窄のために食物残滓が停滞・腐敗することで炎症が起こり、
疼痛と口臭が出ることはあるようです。
薬の
   副作用
お薬の副作用で口臭が発生することがあります。
薬そのもののニオイではなく、
副作用としてドライマウスを引き起こす為に発生する口臭が主です。
鼻づまりのお薬を飲んだときに、喉やお口の中が乾いたことはありませんか?
ああいう感じの症状がでてしまうのです。

ドライマウスを引き起こす薬剤は、
・抗うつ薬
・抗不安薬
・向精神病薬
・抗パーキンソン薬
・抗項血圧薬
・抗ヒスタミン薬
・利尿薬
・抗コリン作用薬
・抗痙攣剤
・気管支拡張薬
・カルシウム拮抗薬
・抗炎症薬

などが知られています。

口臭が気になるので、勝手に薬を飲むのをやめてしまう…というのは危険です。
お薬の副作用が原因で口臭やドライマウスが気になる場合は、
かかりつけの医師と必ず相談するようにしてください。

お薬の種類を変更したり、量を少なくしたりすることが可能かもしれません。

抗生物質の長期使用も口臭を引き起こすことがあります。
これは、抗生物質が善玉のバクテリアまで殺してしまうからだそうです。
善玉バクテリアよりも抵抗力の強いバクテリアが増えてしまうのです。
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  心因性の口臭(10/26)
「生理的なものが原因の口臭」の「緊張時」のところでもお話しましたが、
ストレスも口臭の原因となります。
精神的なものが原因なのです。
自律神経失調症やウツ状態なども原因となります。

ストレスがあると、交感神経優位になることから、
唾液の分泌量が低下します。
また、強いストレスが加わると唾液分泌量が低下し、
タンパク濃度が上昇するのだそうです。
ストレスはお口にも体にも良くないことばかりするのですね。

そして、それとは別に、
「本当は口臭が無いのに口臭がある」
と思ってしまうケースもあります。
これは「自臭症(じしゅうしょう)」と言います。
自臭症は心の問題が原因となっていることが大半です。

自臭症については、「口臭のお話4」で、もう少し詳しくお話する予定です。
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